2006年07月27日
はじめに
鳥インフルエンザの報道は覚えていらっしゃるでしょうか?
感染した鳥だけでなく、鳥小屋(鶏舎)や道路、車のタイヤまで消毒していた映像をご覧になった方も多いはずです。
伝染病によっては、病気の動物(人間も)と直接に接触しなくても、うつることが少なくありません。
現在の日本では、人間の致命的な伝染病はかなり少なくなってしまい、どうしても伝染病の恐ろしさに実感を持てず、理解できなくなっている方も多いようです。
しかし、犬や猫の命にかかわる危険な伝染病は、現在でも発生し続けているのです。
投稿者 jasperah : 22:50 | コメント (0)
猫カリシウイルス感染症
この病気にかかる猫は非常に多く、人間の風に良く似たくしゃみ、鼻水、発熱などの症状から始まります。
人や犬には感染しません。
この病気と次項『猫ウイルス性鼻気管炎』は俗に『ネコ風邪』等と呼ばれ、軽視されがちですが、これは大きな誤りです。
実際にはこじらせての死亡例が少なくなく、決してヒトの『鼻風邪』とは異なる、危険な病気です。『ネコ風邪』等という表現は避けたほうが、賢明でしょう。
この病気では、口腔内に潰瘍、水泡ができ、急性結膜炎、鼻炎、などの他、関節痛・筋肉痛による歩行異常が見られることもあります。
発熱は必ずしも見られないことがあります。
こじらせると死亡することもあり、特に子猫は注意が必要です。
キャリアー(病原体を持っている個体)から感染します。
ワクチンによる予防が重要です。
投稿者 jasperah : 22:49 | コメント (0)
猫ウイルス性鼻気管炎
人間の風邪に似たくしゃみ、鼻水、発熱の他、角膜炎や結膜炎が見られ、重症になると死亡することもあります。
人や犬には感染しません。
この病気と前項『猫カリシウイルス感染症』は俗に『ネコ風邪』等と呼ばれ、軽視されがちですが、実際にはこじらせての死亡例が少なくなく、決してヒトの『鼻かぜ』とは異なる、危険な病気です。
キャリアーからの感染の他、空気中の微粒子、食器、寝具などからも感染します。
ワクチンによる予防が重要です。
投稿者 jasperah : 22:48 | コメント (0)
猫汎白血球減少症
食欲・元気消失、発熱、嘔吐、下痢などの症状が見られ、死亡率の高い病気です。
妊娠中の母猫が感染すると流産、異常産を起こすこともあります。
病状の経過が早く、治療が困難な場合も少なくありません。
人や犬には感染しません。
ワクチンによる予防が重要です。
投稿者 jasperah : 22:47 | コメント (0)
猫免疫不全ウイルス感染(猫エイズ)
人間のHIV(エイズウイルス)の仲間のウイルスが原因で、猫(及び猫に近い動物)のみに感染します。人や犬には感染しません。
咬傷が主な感染様式と考えられますが、咬まれなくても、密接な身体接触による感染の可能性が指摘されています。
屋外で自由に行動している猫は他の猫とのケンカ・接触が避けられないため、感染の恐れがあります。
初期では無症状の場合もありますが、後には体重減少、持続性の下痢、口内炎・歯肉炎、呼吸困難、慢性の皮膚病などが見られるようになります。
残念ながら、根治する方法はなく、併発症の管理が主な治療になります。
また、予防ワクチンはありません。
投稿者 jasperah : 22:47 | コメント (0)
猫伝染性腹膜炎(FIP)
ウイルス性の伝染病で、死亡率が非常に高い疾患です。
口や鼻の分泌物から伝染し、多くの場合は感染している猫と接触しなければうつりません。
ただし、感染した場合でも、ウイルスが休眠状態であると、数ヶ月~数年も症状に気付かないことがあり、どこでうつされたか確定できないことも考えられます。
屋外で自由に行動している猫は他の猫との接触が避けられないため、感染の恐れがあります。
この病気は伝染性腹膜炎と名称がついていますが、実際には腹膜炎症状以外にも、多種多様な部位に感染します。最も一般的には、腎臓、肝臓、リンパ節、腸、肺、眼、脳などが罹患します。例えば眼に感染すると、視力の急激な低下、脳に感染すると神経症状(ケイレン等)が生じることがあります。
腹水・胸水が貯留すると、呼吸困難が起きます。
このウイルスに対する抗体は、免疫を高めるのではなく、むしろ病気を進行させることがあります。したがって、通常の感染症とは逆に、免疫を抑える治療が必要になる場合があります。
残念ながら、根治する方法はなく、併発症の管理が主な治療になります。
人や犬には感染しません。
また、予防ワクチンはありません。
投稿者 jasperah : 22:46 | コメント (0)
犬パルボウイルス感染症
次項『犬ジステンパー』と並んで、非常に死亡率の高い、危険な伝染病です。
犬パルボウイルスの感染によって発病します。
激しい下痢、嘔吐を起こし、食欲がなくなり衰弱していきます(腸炎型)。
また、子イヌに対して突然死を起こすこともあります(心筋炎型)。
感染犬の便中には大量のウイルスが排出され感染源となります。
このウイルスは感染犬から外界に排泄されてもすぐには不活化(ウイルスが死ぬこと)せず、条件さえ揃えば、何週間もその場で生きています。
つまり、他の犬の下痢便が道に落ちていればそれを避けて歩くこともできますが、何週間か経過し、便の形跡がわからなくなってしまっても、そこにはこのウイルスが生き残っているかもしれない、ということになります。
伝染力が強く、犬ジステンパーと並んで特に子イヌにとって死亡率の高い恐ろしい伝染病です。もちろん、成犬にも感染します。
人や猫には感染しません。
ワクチンによる予防が重要です。
投稿者 jasperah : 22:45 | コメント (0)
犬ジステンパー
前項『犬パルボウイルス感染症』と並んで、非常に死亡率の高い、危険な伝染病です。
犬ジステンパーウイルスの感染によって発病します。
このウイルスは非常に感染力が強く、15mの距離を置いても伝染した、という報告もあるくらいです。
このウイルスは感染犬の鼻水、目やに、尿などに含まれます。
症状は、発熱、下痢、鼻炎、結膜炎、呼吸器および消化器障害を示し、神経症状を起こすこともあります。
特に神経症状は、全身もしくは体の一部が痙攣や脱力を起こしたり、意識障害が見られるなど、飼い主としては見るに耐えない、『残酷な』状況になるおそれがあります。
神経症状が発症すると、かなり高い確率で死亡してします。
犬パルボウイルス感染症と同様に、特に子イヌでは死亡率の高い伝染病として恐れられていますが、成犬の死亡例も珍しくありません。
人や猫には感染しませんが、フェレットには感染・発症し、死亡することもあります。
ワクチンによる予防が重要です。
投稿者 jasperah : 22:45 | コメント (0)
犬パラインフルエンザウイルス感染症
犬パラインフルエンザウイルスは「Kennel Cough(ケンネルコフ:犬の呼吸器症候群)」の原因の1つです。
咳、鼻水などの呼吸器症状(風邪の症状)を示します。
感染犬は咳などでウイルスをまきちらします。
混合感染や二次感染を起こすと重篤になり、死亡することもあります。
人や猫には感染しません。
ワクチンによる予防が重要です。
投稿者 jasperah : 22:44 | コメント (0)
犬伝染性候頭気管炎(犬アデノウイルス2型感染症)
犬アデノウイルス2型は犬パラインフルエンザウイルスと同様に「Kennel Cough」の原因の1つで、咳を主な症状とする呼吸器系疾患を起こします。
特に、他のウイルスや細菌と混合感染することにより症状が重篤になり、死亡する危険があります。
人や猫には感染しません。
ワクチンによる予防が重要です。
投稿者 jasperah : 22:43 | コメント (0)
犬伝染性肝炎
犬伝染性候頭気管炎と同様に犬アデノウイルス(1型)の感染によります。
感染犬の便、尿、唾液などから経口感染します。
下痢、嘔吐、食欲不振などを示し肝炎を起こします。
重篤になると、死亡する恐れもあります。
人や猫には感染しません。
ワクチンによる予防が重要です。
投稿者 jasperah : 22:42 | コメント (0)
犬レプトスピラ病(カニコーラ型/イクテロヘモラジー型)
レプトスピラという細菌が原因の伝染病で、感染動物の尿中に細菌が排出され環境を汚染し感染源となります。
症状は尿毒症、賢炎などの症状を起こす場合(カニコーラ型)と、黄疸などの症状を起こす場合(イクテロへラジー型)があり、死亡することもあります。
ヒトにも感染する人畜共通感染症の1つです。
ワクチンによる予防が重要です。