2006年07月24日
散歩のしつけのポイント
①犬は人のななめ後を歩かせる
犬の頭が人間のひざよりも前に出ないこと。
犬の立場から見ると、常に飼い主の身体の一部が犬の視界に入っている状態を維持する。
これによって飼い主が散歩のリ-ダ-であることを意識させる。
リ-ド(引き綱)は短く持つこと。
よくリ-ドの端の輪になった部分を持つことに固執するあまり、リ-ドを長く使う人がいるが、それでは犬はコントロ-ルできない。
リ-ドはどこを持っても良いはずである。
②必ず首輪を装着し、それにリ-ドをつなぐ
首輪は犬に効果的な抑制を与える上で、非常に重要。
犬は首に瞬間的な圧力を加えることにより、抑制されやすくなる性質を持つ。
犬が引っ張るために呼吸が苦しい場合、よく首輪を緩める人がいるが、これは全く無意味。
いくら首輪のサイズが大きくても、犬が前向きに引っ張れば、ノドが圧迫されるのは同じ。
むしろ、犬が「イヤイヤ」をして後ずさりした時に緩い首輪は容易に抜けてしまい、首輪の本来の目的である犬の制御が不可能になるどころか、犬が車道に飛び出て交通事故に遭う可能性もある。
犬の呼吸が苦しいのは首輪が小さいためではなく、犬が人間を引っ張る悪習が原因であり、犬が飼い主と同じ歩調で歩くしつけができていれば、このような問題は起こりようがない。
また、ハ-ネス(胴輪)は「散歩のしつけ」には全く役に立たない。
前述のように犬は首に瞬間的圧力が加わった場合に抑制ができるので、首の圧力 と無関係なハ-ネスでは犬との単純な力比べになってしまうだけ。
首輪装着の時に引っ張る犬はハ-ネスにすると、全く苦しくないのでますます引っ張る。
ハ-ネスは病気やケガ等の理由で首輪が装着できない犬、またはしつけが完成された犬にのみ許 される。
③犬が人間より前に出たら、リ-ドを瞬間的に強く引き、犬の首に圧力を加えて元の位置に戻す
ゆっくりとリ-ド引いても、効果は全くない。
瞬間的な衝撃が首に伝わると、犬は母犬に首筋を噛まれてしかられた印象を思い出す。
④どこで排泄するかは人間が決定する
犬の好き勝手に行き先を決めさせない。
迷惑のかからない適切な場所で「排泄許可」の命令を下した後に初めてリ-ドを緩める。
⑤家の敷地を出る時から人間が前を歩き、帰宅するまで継続する
家を出発する時から散歩=狩猟行動は始まっている。
散歩に行くかどうか自体、決定権は全て人間にあることを示さなくてはならない。
⑥散歩のコ-スは飼い主の判断により時々変更する
どこに行くかはリ-ダ-である飼い主が決める。
初めて通る場所で犬が不安な気持ちを持っていても、飼い主が堂々と犬をリ-ドして行けば、犬は飼い主に従うことにかえって安心感を覚える。
⑦「散歩の時くらい自由にさせてやりたい」という発想が誤りの根源である
散歩=狩猟の代替行為こそ、リ-ダ-シップが求められる状況である。
犬が自由に行動しているうちは人間に都合の良いル-ルを覚えてくれるはずがない。
散歩という、しつけ上非常に重要な場面で犬に好き勝手を許すのは、飼い主が「自由」という言葉に酔っているだけで、実際には周囲の迷惑や犬のしつけを無視した暴挙である。
犬に自由を与えるのなら、他に迷惑のかからない場所を特定し、その場所についたときだけ、必ず「自由行動を許可する号令」をかけてから、開放する。
つまり、「あとで自由に遊べる場所へ連れて行ってあげるから、そこに行く途中はよいこで言うことをききなさい」という考え方をすべきであろう。
ただし、呼んでも戻ってこない犬は絶対に放してはならない。
投稿者 jasperah : 2006年07月24日 20:33